SUBARU TUNING

2008年06月04日
BOXERディーゼル

5月21-23日、横浜で"人とくるまの技術展"が開催されました。富士重工業ブースではレガシィ用BOXERディーゼルエンジンが展示、いよいよ日本国内でのアピールが始まっています。近い将来採用されるであろうエンジンのチューニングの可能性はあるのでしょうか?

そもそもディーゼルエンジン自体は古来からトラックや船舶などの機関としての長い歴史があります。これは技術的な問題(エンジン自体の小型化が困難だった)からで、ディーゼルエンジンほどの圧縮/燃焼圧力に耐えられる構造としながら小型化することが難しく、最適な燃焼状態を制御(燃料の高圧インジェクション)が困難だったからです。
また、点火プラグを用いないことから、燃料を燃焼行程の中で最適なタイミングで最適な量を噴射することでクリーン化、高出力化が近年進んでいます。こうした技術をベースにCO2排出量がガソリンエンジンと比べて少ない(熱効率が高い点も上げられます。)ことから、ヨーロッパ先進国を中心とした自動車メーカーがディーゼルエンジンの乗用車への転換を始めた経緯があります。

富士重工ブース内 BOXERディーゼル
富士重工ブース内 BOXERディーゼル

スバルもこうした自動車業界の流れから、水平対向エンジンの利点を見いだし、ヨーロッパではBOXERディーゼルとしてレガシィにディーゼルエンジンをラインナップ、近い将来日本国内にも導入するのではないかと囁かれています。

では一般的にガソリンエンジンと比較し私たちにどのような違いがあるのでしょうか?

まずは燃料、これはみなさんがご存知のようにディーゼルは軽油を燃料とすることが広く知られていますが、これでは鉱物油由来であることから、燃料の生産性などはガソリンと大差ありません。
現在はヨーロッパなどで使用されているプレミアムディーゼルなどと呼ばれる燃料は軽油に対し植物などの油脂を原料とするバイオ燃料(BTL), 化学合成油(GTL)などを混合することでセタン価を向上、燃焼・出力の改善や環境負荷改善対策の一環として機能するよう今も研究開発が続けられています。


出力面ではよく言われているように強大なトルクが挙げられます。ヨーロッパで発売されているBOXERディーゼルもトランスミッションの耐久性の問題から、現在はマニュアル車のみがラインナップされています。
技術的な違いですが、ディーゼルエンジンは圧縮行程時にシリンダー内は空気のみであるため、プレイグニッションなどの心配がなく、安全性がガソリンエンジンと比較して高い点や作動ガス比熱比が高く高効率(つまり燃料消費率で優位)なところが特徴です。
また、全域で排気圧力が高いため(圧縮比が高い)ターボチャージャーとの相性が良いということは従来から言われています。(SUV車などにターボディーゼル車が多いのはそのためです)


上面カットモデル
上面カットモデル

しかしながら、デメリットとなる点もいくつかあります。
構造的に高い強度を要求するため、エンジン重量が大きくなる傾向があります、燃焼状態としては拡散燃焼のため、燃焼の均一化が難しく(これらは様々な技術によって解消されつつあります)、窒素酸化物の過多、不完全燃焼を起こし易いといった性質を持ち合わせているため、安定した燃焼状態を継続(その車両が寿命を全うするまでとの意味で)させる品質面でまだまだコストがかかるようです。


ディーゼルエンジン用グロープラグ & EXポートに直付けのターボチャージャユニット
ディーゼルエンジン用グロープラグ & EXポートに直付けのターボチャージャユニット

ガソリンエンジンに慣れてしまった私たちからすれば、最もエモーショナルな部分、エンジンの回転数が非常に低いという点です。
最大トルク発生回転域が低く、フラットなトルク特性から”回転数”をあげる必要がないため、低いレヴリミットはカタログ上で低い出力値(馬力表示がガソリンエンジンと比べて低い)となって表れます。”エンジン”らしさという観点からはいくらか魅力的ではないかもしれません。

ですが、こうした感性に訴える部分を近い将来”チューニング”によって取り戻せた時、本当の意味でヨーロッパのようにディーゼルエンジンを受け入れられるようになるのではないでしょうか。



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