<対地キャンバ/車高編>
弊社ではREVスピード誌さんの企画、サーキットでGRBを走らせるお手伝いをしています。
今回は企画の趣旨として最低限のモディファイでGRBのパフォーマンスを計るとの事で、タイヤ、サスペンション、ブレーキパッドなど走行に必要最低限の変更しか行わない車両です。既に誌面にて皆さんが目にされているかと思いますが、1度筑波サーキットを走行しており、その際のフィールを元にさらに減衰力、車高、ホイールアライメントを調整していきます。
■基準となる目標値の決定
まずは基本となる車高を設定しますが、前回走行時にタイヤ比較を行っていて、若干のサイズ差(外形形状)によってインナーフェンダへの干渉があることが判明、走行状態を考慮すれば、なるべく低くしたいところですが、実際に走行に支障がないレベルの車高を探っていきます。
最初に装着した際には、実用性などを考慮しF-25mm R-15mm程度に設定。減衰力もサスペンションメーカー指定基準値から±1/4回転(ニードルバルブタイプ)の範囲で設定していました。
これはいわば”アタリ”をつける為の設定で、ドライバーに実走行させダンパーのフィールやハンドリング、旋回性をチェックさせる目的があります。一度走行させることで、フィールの基準ができて次に変更する目標が判りやすくなります。プロドライバーの場合はそれぞれのコーナー、さらにブレーキング時や侵入時のフィールをチェックしアライメントや車高、減衰に対するフィードバックを行います。
その為の基礎もレーシングドライバーといえども、最初はノーマル(そのサスペンションもしくは車両の)の基準値を確認せずにいきなりセットアップすることは出来ないのです。
対地キャンバー角を決める際にはタイヤをよく観察することです。
走行後のタイヤトレッド表面は走行中に何が起きているかを明確に物語り、サイドウォール部まで摩耗している場合にはキャンバー角度の不足、トレッド面が均一に摩耗している状態がその時点での走行状況に最も適しているわけで、これはもちろんドライバーによっても異なり、この原則はストリートを走行する車両にももちろん当てはまるのでアライメントチェックする際にタイヤトレッドを点検すると、よりよいセッティングへの指標となります。
今回の車両の場合、トレッド面をかなり使用しておりショルダー部分も使い始めているため、容易に(標準的なセットアップでしたので)キャンバー角の不足が伺えます。
■目標値への調整
車高変動は対地キャンバー、トー角と連動してしまうため、目標とするアライメント値も考慮して車高のレンジを決めます。今回はフロントキャンバーを-3.0°, リアを-2.0~2.2°, 前後トー角は0°00′を基準にして設定、車高はフロント-35mm, リア-20mmとフロント基軸の旋回性能を高めるセッティングとします。
上記メモでは既に装着時のデータがあるため、TirePressを揃え車高の比較をしていますが、最初はハブセンター位置からフェンダTOP(もしくは基準点を設けて毎回同じ位置で計測)、またはサイドシル部(前端/後端)にて計測します。こうすることで、毎回計測するデータを比較することが出来、特にサーキット向けのセットアップをする際には、左右輪のバラつきやドライバー重量などを考慮した高さを算出することが出来ます。
厳密には重量を計測しなければなりませんが、高価なコーナーウェイトゲージがなくとも、データ取りさえすればプライベートでも高度なセットアップはできるので、車高調整式サスペンションを装着した際には色々試してみると良いと思います。
次回はトー角セットアップ/調整についてご案内いたします。
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