レガシィに課せられる様々な条件を重ね合わせると、BM/BR型レガシィの開発企画の本音が見えてくる。
インターナショナルDセグメント(実際にはDの底辺)のカテゴリーにふさわしいデザイン、ボディ・サイズ、エンジン排気量とし、Dセグメントにふさわしい走り、快適性を追求することが大きなテーマになっているのだ。
アメリカ、北米では、中途半端な、小さいサイズと見られ、ヨーロッパでもDセグメントとしては存在感が薄い・・・といった現状を打破するモデルしたいということだ。
クルマの本質的な部分では、海外市場、国内を問わずAWD(4WD)を採用したプレミアム・モデルとしたいところだが、実際には高価格路線を選択することは不可能で、コストパフォーマンスの優れたDセグメントモデル路線を狙わざるを得ない。
このようは背景のもとでBM/BR型レガシィはボディサイズを拡大、エンジンを2.0Lメインから2.5Lメインに引き上げるたが、個々の技術的な方向性は正常進化といってよい内容になっており、従来のレガシィとまったく別の方向性を持つクルマになったというわけではないと思う。
BM/BR型レガシィは、ボディ・サイズを拡大。全長はセダン、ワゴンとも+95㎜、ホイールベースは2750㎜(+80㎜)、全高は1535㎜(+65㎜)、そして全幅は1780㎜(+50㎜)。北米仕様の全幅は1820㎜にまで拡幅しているのだ。基本フォルムは、より長く、より高く、より幅広く、インターナショナルDセグメントに合致するサイズになったといえるし、ホイールベースの延長はリヤシートの足元スペースの拡大に使用され、全幅の拡大はフロントシート左右のカップルディスタンスに使用されている。
しかし、全幅の拡大の恩恵を最も得られたのは、側面のデザインだろう。従来のレガシィは伝統的に室内パッケージングを優先的に攻めるあまり、側面デザインが平板なイメージが強かった。4代目では初めてショルダー部のエッジを立てる試みを行ったが、ソリッド感や立体感はそれほど強くはなかった。
それに対して、新型はショルダー部にインバース面とエッジを組み合わせ、反射光を際立たせ、エッジから下に向かってはフラットにまとめている。そして前後のホイールアーチをオーバーフェンダー風に強く強調することで、ショルダーラインより下方でダイナミック感を作り出している。強いショルダーエッジとダイナミックなホイールアーチにより、サイドビューの存在感が格段に強められたのだ。
全高が65㎜も高められた理由は、歩行者傷害低減対策として上下方向のクラッシュストロークを確保するためにボンネット高さを高くしたことによりデザインバランスを取るためと、室内の前後スペースを有利にするためだが、Aピラー付け根のボンネットの厚みと、ラウンドしたルーフパネル形状もデザイン的には強さを表現している。
ヘッドライトは、依然として鷹の目を表す鋭さを表現しているが、ウイングをグリル中央に配置しクロームで囲い、ロアーの両サイドと長方形の大型中央グリルと組み合わせたフロントマスクはそのほど強い印象が感じられず、A.ザパディナス氏が去った後のスバル・アイデンティティの作り込みに多少の迷いが感じられる。
インテリアは、センターコンソール、ディスプレー面をしっかり確保し、運転席、助手席のダッシュボードをラウンド面としたデザイン構成は、機能性を表現できている。ただ、ダッシュボード表面の質感、触感などはもの足りない。運転席に座った時の斜め前方視界、すなわちドライバーの目とAピラーとの距離は理想的で、視界が最大限に確保されているのはスバル伝統のこだわりといえる。